米メタは今週、フェイスブックおよびインスタグラムにおけるAI監視体制を強化し、クリスティアーノ・ロナウド氏やBLACKPINK、テイラー・スウィフト氏ら著名アカウントから数百万規模の偽フォロワーを削除した。SNS上で影響力を水増しするボット網やなりすまし行為が広がっていたことに対応したものである。
同社は今回の対応を、詐欺広告や組織的な不正行為への対策強化の一環と位置付ける。とりわけ近年は、暗号資産関連の投資詐欺広告やインフルエンサーを装った誘導投稿も問題化しており、広告エコシステム全体の信頼性回復が急務となっている。AIツールの導入を通じ、こうした不正流通の遮断を進める構えである。
カイリー・ジェンナー、アリアナ・グランデ、ジャスティン・ビーバー、セレーナ・ゴメス、ヴィラット・コーリ、プリヤンカー・チョープラーなどの著名人も例外ではなく、フォロワー数が大きく減少。一夜で数百万件の減少となったケースもあった。
この動きは、Instagramが5月5日に実施したポリシーアップデートと、偽のエンゲージメントパターンやユーザー年齢予測に特化した新たな監視システムの導入を受けたもの。
K-POPやサッカー関連アカウントは、長年にわたり暗号資産プロモーションや偽のプレゼント企画、スニーカー詐欺のリーチを水増しするボット運営の温床だった。今回の大規模な浄化は、自動化された活動がプラットフォーム内の著名アカウントにどれほど深く浸透していたかを示すもの。
メタの大規模な浄化により、2025年には詐欺拠点に関連する1090万件のアカウントと、1億5900万件の詐欺広告が削除された。メタによれば、そのうち92%はユーザーから指摘を受ける前に削除済みだったとしている。
暗号資産詐欺拠点は、長らくメタのプラットフォームを活用してきた。偽のインフルエンサーアカウントが、トークンの先行販売やエアドロップ詐欺を仕掛け、イーロンやヴィタリック・ブテリンなどに成りすます。著名人の投稿欄には、こうしたコメントが溢れていた。
新たな検出モデルは、こうしたパターンを対象とし、プロフィールや行動シグナル、画像の文脈などを解析。不正なブランドや著名人のなりすましを検出する仕組み。
この動きは、メタの暗号資産領域拡大にとっても重要なタイミングとなる。メタは最近、コロンビアとフィリピンのクリエイター向けにUSDCを活用したステーブルコインによる報酬支払いを開始している。よりクリーンな広告・クリエイター環境は、ブロックチェーン事業拡大に向けて、規制された決済パートナーの獲得にも寄与する構図。


