米国史上最重要な暗号資産規制法案は、上院採決まで残り4日となっている。銀行側はこの法案を潰そうとしている。5月1日、数ヶ月にわたる交渉を経て、ステーブルコインの利回りに関する超党派の妥協案が成立した。上院銀行委員会はその直後、5月14日に修正案採決を予定した。
採決の発表から数日以内に、全米銀行協会、銀行政策研究所、および他の3つの主要な銀行ロビー団体が共同書簡を提出し、自分たちがまさに署名したばかりの妥協案テキストへの変更を求めた。
合意の内容はシンプルだ。暗号資産企業は、銀行が預金に利息を支払うような形で、ステーブルコインに対して受動的な利回りを支払うことはできない。ただし、自社プラットフォーム上での実際の利用や取引に連動した報酬を提供することは可能だ。これが交渉によって引かれたラインだ。銀行側もこれに同意し、暗号資産企業側も同意した。上院は採決を予定した。
ところが今、銀行側はそれでも寛大すぎると主張している。彼らは報酬の枠組み全体を廃止することを求めている。
公式な主張は消費者保護についてだ。しかし実際の懸念はデータにある。銀行側は、利回りを持つステーブルコインが消費者ローン、中小企業ローン、農業ローンを20%以上削減する可能性があると明言している。人々が銀行口座から暗号資産プラットフォームに資金を移動させれば、銀行の融資余力は低下し、利益も落ち込む。
これはユーザーを保護するためではない。預金を守るためだ。妥協案はすでにその点に対処するよう設計されており、だからこそ暗号資産企業側も受け入れた。銀行側は署名しておきながら、採決4日前になって更なる要求を突きつけてきた。
法案が5月21日のメモリアルデー休会期限を逃せば、全てが上院の議事日程から外れる。1年間にわたる交渉がゼロになる。この法案は2026年に意味のある形で戻ってくることはない。銀行側はこれを知っている。新たな異議申し立てのタイミングは、期限のプレッシャーと完全に一致している。
トランプ氏は、銀行家たちにこの暗号資産規制法案を台無しにさせないと公言している。これは重要だ。なぜなら、行政の圧力によって、銀行ロビーが遅延を求めたとしても、5月14日の修正案採決を予定通り維持できるからだ。
上院銀行委員会は5月14日に採決を行う。銀行側は2週間も経たないうちに、自ら合意した妥協案の再交渉を試みた。5月21日の休会期限が本当のターゲットだ。今週法案が前進しなければ、1年間の作業が消えてなくなる。銀行側は自分たちが何をしているかを正確に把握しており、タイミングこそが交渉力だからこそ、今この瞬間に動いている。


