ビットコイン(BTC)は週末に8万1000ドルを上回った。今週はインフレ指標と政治的緊張が重なるため、トレーダーは慎重姿勢。次のテクニカル目標はフィボナッチ予測に基づき8万3400ドル。RSI上昇もあり、モメンタムの継続が示唆される。
投資家は火曜日の消費者物価指数(CPI)、水曜日の生産者物価指数(PPI)、木曜日の小売売上高の発表を控える。OPECの月報も週半ばに公表される。金曜日はジェローム・パウエルFRB議長の最終任務日。
ドナルド・トランプ氏は、イランが47年間にもわたり米国を欺いてきたと非難。同氏は投稿でオバマ前大統領を名指しした。トランプ氏は、オバマ政権が現金17億ドルなど、数十億ドルをテヘランに渡したと主張。
トランプ氏は、これが「何に使えばよいかわからないほどの」棚ぼた資金だったと表現した。同氏によれば、この資金がイラン政権に金融的な命綱をもたらしたという。ただし、新たな制裁や軍事措置には言及しなかった。
こうした発言は、ビットコインが週末に8万1000ドル付近のレジスタンスを試す中で登場。暗号資産市場全体で地政学リスクへの注目が高まった。
火曜日に発表されるCPIは、FRB政策への市場期待を左右する最重要指標。予想を下回る結果ならリスク資産への投資意欲につながる一方、インフレが高止まりすれば利下げ時期が後ろ倒しとなる。4月のデータは、今後2回のFOMCに向けた市場予想に影響を与える可能性。
水曜日にはPPIとOPEC月次石油見通し、木曜日の小売売上高、金曜日の鉱工業生産も重要。また、各発表ごとに数分以内にFRBの利下げ観測が変動する展開になりやすい。
ビットコインが8万3400ドルに到達するか、下落に転じるかは、今週、トランプ氏のイラン発言と米国経済指標の交錯次第。パウエルFRB議長の最終セッションも不確定要素となる。
一方、ビットコインは本稿執筆時点で8万1269ドルで推移。過去1か月間の上昇チャネルを維持しつつ、200日指数移動平均線(EMA)8万2036ドルが上値抵抗帯となっている。
2月の安値6万ドル付近から約35%反発。現物ビットコインETFへの資金流入再開が下支え。ただし、モメンタム指標は依然まちまちな動きで、1月末から反発局面でことごとく上値を抑えてきた長期トレンドライン目前で停滞中。
日足チャートの相対力指数(RSI)は65.56、移動平均値は61.89。いずれも中立基準の50を大きく上回り、短期的な価格主導権は買い手優勢といえる。
このモメンタム指標は、2月の急落以降のビットコインの着実な値戻りを示す。RSIは3か月前の売られ過ぎライン到達以来、途切れなく上昇。これはBeInCryptoの弱気相場分析においても同様の回復が観測されている。
ただし現在水準には警戒も必要。70を超えると買われ過ぎゾーン入りとなる。今回のRSIは、1月の下落局面以降で最高水準。過去をみると、日足RSIが70を上回ると短期的な調整局面を迎えやすい。
明確な上抜けには売買高の裏付けが不可欠。買い手がRSIで70突破を果たせず、価格が200日EMA下を維持するままなら、価格高値とモメンタム高値の間に弱気ダイバージェンスが形成されうる。仮にRSIが日中で再び50割れとなれば、トレンド主導権が売り手に移ったシグナルとなる。
ビットコインは、4月初旬に6万ドル付近で形成された明確な上昇チャネル内で取引されている。価格推移は上昇局面を通じてチャネルの中間線を動的なサポートとして機能させており、各調整局面で買いが入る構造となっている。
現在、200日EMAが8万2036ドルで上値を抑えている。この水準は、1月から2月にかけて複数回価格を押し返した厚い供給ゾーンに一致する。8万2036ドルを日足終値で上抜ければ、このトレンドラインを約4か月ぶりに回復することになり、複数のアナリストが予想した5月の見通しを裏付ける展開となる。
BTCがこの水準を突破すれば、次の合理的なターゲットはフィボナッチ61.8%戻しの8万3399ドルとなる。この水準はチャネル上限に位置し、利益確定売りを促すコンフルエンスゾーンを形成する可能性がある。
チャネルから算出される値幅を考慮すれば、買い手が8万3400ドル付近の供給を吸収した場合、数週間かけて約8万6500ドルまで上昇するシナリオが示唆される。
弱気転換の否定ラインはフィボナッチ50%戻しの7万8915ドル。日足終値でこのサポートを割り込めばチャネル構造が崩れ、フィボナッチ38.2%戻しとなる7万4431ドルの再テストに発展する。
その下は、フィボナッチ23.6%戻しの6万8884ドルが最後のサポートとなり、これを割ると2026年に向けた中長期の回復シナリオが崩れる格好となる。
現物ETFへの継続的な需要が主な上昇要因となっている。4月下旬の9営業日にわたり、純流入額は約27億ドルに達し、ブラックロックのIBITやフィデリティのFBTCが大半を占めた。
米国の現物ビットコイン商品全体で資産総額が1千億ドルを突破し、2026年初頭に指摘された弱気リスク要因がある中でも、チャネル下限を維持する安定した買い需要を支えている。
今後2週間でビットコインが200日EMAを突破できるか、それとも反落するかが、6月に向けたトレンドの方向性を左右する。


