NVIDIA株は、わずか7日間で複数のウォール街大手から新たな「買い」評価を獲得した。Wedbushは目標株価を330ドルとし、Jefferiesとみずほが300ドル、モルガン・スタンレーが288ドルを示した。
しかし、同株は236ドルの高値から下落中。5月27日には機関投資家による資金流入がマイナスに転じ、個人投資家の売買高も5月15日から売り優勢。ウォール街が期待する買い手は市場から撤退した状況。
現在、NVIDIA株への期待感が高まっている。
Wedbushのアナリスト、ダニエル・アイブス氏は5月21日に目標株価を330ドルへ引き上げた。これは同業界で最高水準であり、現行の終値214.86ドルから53.59%の上昇余地を示唆。モルガン・スタンレーのジョセフ・ムーア氏も同日に288ドルの買い評価を再表明した。
Jefferiesが5月22日に300ドル、みずほも5月25日に300ドル、トゥルイスト・ファイナンシャルは307ドルを提示。より慎重な見方のDBSも250ドル、UBSは275ドルから280ドルへ目標株価を引き上げた。
今週追跡された10社は全てNVIDIA株を「買い」と評価。だが、株価チャートは異なる動きを示す。
NVIDIA株は3月下旬の164.27ドルから5月19日の236.84ドルまで44.18%上昇。しかし直後から下降チャネル内の揉み合いに入り、強気のポール&フラッグ型に類似。
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ただし、資金フローの様相は変化した。チャイキン・マネー・フロー指標でみる機関投資家の買い圧力は5月27日にゼロを下回った。前回この指標がゼロを割り込んだのは3月中旬であり、その直後NVIDIA株は13.06%下落した。
個人投資家の売買高は5月15日以降でマイナスに転じた。調整局面でも売り高は減少しなかった。現状、機関投資家・個人投資家ともに売りへと傾いており、ウォール街の目標株価とは逆方向を示している。
買い評価と下落基調のチャート、決着の鍵はボラティリティにある。NVIDIAの30日年換算ボラティリティは現在33.1%。
この水準はビットコイン(22.9%)、ナスダック100(14.1%)、S&P500(8.6%)を上回る。テスラの32.2%より高く、アルファベットの33.7%とはほぼ同等。
これだけ値動きの激しい銘柄では、センチメントが変わるだけでテクニカルパターンが即座に崩される可能性あり。これが不確定要素となる。ウォール街の330ドル目標は再評価材料の出現を織り込むが、現状の相場は材料を想定せず。高ボラティリティのこの水準では、次の材料に賭けた側が短期勝負で有利となる。
オプション市場はすでに動き出しているが、チャート上のテクニカルとは別の方向性を示している。
5月19日時点のNVIDIA株プット・コール出来高比率は0.49。5月26日には0.42に低下。この比率の低下は、新規ポジションがプットよりコール(上昇期待型)を積み増していることを示す。
オープン・インタレストは0.79から0.81にわずかに上昇。ただし、出来高こそが新規資金流入を映しやすい。
こうした動きはボラティリティの高まりと連動。トレーダーはヘッジよりも上昇へのエクスポージャーを構築。新たな材料次第で急騰に備える。そのため、今後はどちらのシナリオを選ぶかが焦点となる。
NVIDIA株価は現在214.86ドルとなっている。ブルフラッグ下限チャネルの211ドルを3ドル上回る水準。211.88ドルを終値で下回ればパターンが弱含む。
194.70ドルを下抜けると、このパターンは完全に無効化され、164.27ドルの安値への下落余地が再び拡大する。一方で、上値ではまず221.81ドル(0.236フィボナッチ水準)の回復が焦点。
221.81ドル、続いて227.95ドルを終値で上抜ければ237.89ドルが視野入り。さらに244.95ドル、253.96ドルを上回れば、1.618倍拡張水準の279.97ドルがターゲットとなる。
この水準はUBSが示す目標値280ドルとほぼ一致する。221.81ドルから279.97ドルまでの上昇幅は約26%。現時点では211ドル台を上回って推移しており、ブルフラッグ理論が有効な状態にある。194.70ドルを下抜ければ売り方優勢となる。

