行政書士試験の合格を目指すための行政書士通信講座。隙間時間を使って勉強しやすいほか、学習管理や質問への回答といった学習サポートを受けられるものもあります。しかし、講義方式・サポート体制などがそれぞれ異なるうえ、「費用が安いのは?」「独学でも失敗せず勉強できるのは?」と気になることも多く、どれを選べばよいか迷いますよね。
今回は、人気の行政書士通信講座8サービスを5個のポイントで比較して徹底検証。おすすめの行政書士通信講座をランキング形式でご紹介します。マイベストが定義するベストな行政書士通信講座は「初心者でも行政書士合格に向けて十分な知識を習得でき、料金が安く、サポート体制が手厚い通信講座」。徹底検証してわかった行政書士通信講座の本当の選び方に加え、行政書士通信講座を利用するメリットも解説しているので、ぜひ申し込みの際の参考にしてください。
マイベストではベストな行政書士通信講座を「初心者でも行政書士合格に向けて十分な知識を習得でき、料金が安く、サポート体制が手厚い通信講座」と定義。そんなベストな行政書士通信講座を探すために、約100万円をかけて人気の行政書士通信講座8サービスを購入し、以下の5個のポイントから徹底検証しました。検証①:料金の安さ検証②:学習サポート体制の手厚さ検証③:映像授業のわかりやすさ検証④:テキストのわかりやすさ検証⑤:学習の取り組みやすさ
おすすめスコア:4.63(2025/12/01時点)
隙間時間を有効活用し、コストを抑えて勉強したい人に
フォーサイトが運営する「フォーサイト」は、隙間時間を有効活用しながら勉強したい人におすすめ。動画・音声教材がダウンロードでき、いつでもどこでも学習しやすいサービスです。倍速・バックグラウンド再生機能も搭載。Webテキストや、Web・アプリ上で解ける問題集もあるので、かさばるテキストを持ち出す必要がなく、スマホさえあれば通勤中でも気軽に勉強できますよ。映像授業はテキストをなぞるようなスタイルで、音声だけでも内容が理解しやすいのもポイント。実際に受講したモニターからは、「テキストを画面に映しながら説明があり、余計な情報が入らず集中できた」「講師と一緒に、板書で重要な箇所を確認できてわかりやすかった」との声が聞かれました。テキストはフルカラーのイラスト入りで「色分けされていて直感的に理解しやすかった」という声が挙がった一方、「文字が多く、テキストだけではわかりづらかった」「読み飽きる」との指摘も。受講後に実施した確認テストの正答率は、20.00%と低めでした。また、掲載する情報を絞っているので基礎を固めるにはよいものの、発展問題も学習する必要があるでしょう。映像授業とは別にライブ配信の授業が行われているうえ、学習スケジュールもあるので、モチベーションを維持しやすいのはメリット。わからないときにすぐに確認できるツールもありますが、時間や回数が制限されている点に注意してください。どの講義をいつ勉強したかを記録する個人カルテや、記述式問題の添削ツールがないことも気になりました。検証条件下での料金は66,800円と、検証した全サービスの料金の中央値の半額以下。入学金・テキスト代もかからないので、気軽に始めやすいでしょう。外出先でもスマホで手軽に学習しやすいことに加え、テキストもB5サイズと小さめなので持ち運びしやすい印象でした。働きながらでも、空いた時間を活用して行政書士の資格を取りたい人にぴったりのサービスです。
おすすめスコア:4.61(2025/12/01時点)
初心者におすすめ。安いのに教材の質も高くバランスよし
ユーキャンが運営する「ユーキャン」は、料金・教材の質のバランスがよいものを使いたい初心者におすすめです。テキストはフルカラーで、導入に漫画があり基礎をがっちり固められる内容。「イラストや図が多く、パラパラとめくるだけでも概要が理解しやすかった」「試験対策上重要なところがわかりやすい」との声が挙がりました。テキストはA5サイズでビジネス手帳ほどのサイズです。映像授業では説明のスピードもちょうどよく、「難しい言葉の補足もしっかりあった」「講師と一緒に過去問を解けるのがよかった」との感想がありました。動画自体のわかりやすさは申し分ありませんが、授業がテキストに沿っていないので、どこを説明しているのかわかりづらい点には注意が必要。受講後の確認テストでは、正答率が46.67%でした。学習サポート体制として、受講した内容・日付がわかる個人カルテや、勉強のペース配分がわかりやすい学習スケジュールも用意。時間や回数は限られるものの疑問点をすぐに問い合わせできる機能もあり、記述式問題の添削ツールは7回まで無料で使えます。ライブ配信の授業はありませんでした。Webテキストがあるので、紙テキストを持っていないときでもスマホで手軽に学習可能。Webやアプリには問題集もありますよ。さらに映像授業はダウンロードが可能。通勤時間を活用して学習したい人は、倍速機能やバックグラウンド再生を使うと効率がよいでしょう。料金の安さも魅力。入学金やテキスト代は必要なく、69,000円と検証した全サービスの料金の中央値の半額程度で受講できます。ほかの資格取得も並行して目指したい人にも向いているでしょう。テキストが理解しやすいつくりで、学習の土台作りにはぴったりの教材。料金も安いので、これから行政書士の勉強を始めたい人に自信を持っておすすめできるサービスです。
おすすめスコア:4.3(2025/12/01時点)
継続しやすいサポート体制。語りかけるような映像授業も魅力
TACが運営する「TAC」は、通信講座で学習が継続できるか不安な人におすすめです。疑問点は、回数無制限で使えるAI検索・チャット機能ですぐに確認でき、無料の記述式問題の添削ツールも搭載。受講記録は個人カルテに残るほか、学習スケジュールもあるので、コツコツ勉強を続けやすいでしょう。ライブ授業ではサポートしてくれる講師の存在を感じられ、やる気につながりやすいといえます。映像授業は講師の話し方にメリハリがあり、わかりやすく感じました。「語りかけるように説明され、集中力が途切れにくかった」「テスト対策の話もあり、資格取得を第1に考えた講義だと思った」との声が。ただ、授業はテキストに沿っているものの、説明に挙がる数字が動画とテキストで異なる箇所があり、動画だけで授業が完結しない点は気になりました。テキストは白黒ですが、テキストのみでも理解できるように説明は詳細で、つまずきやすいポイントには補足があります。記述問題があるので試験対策も十分です。「単元ごとにスッキリまとめられた構成で、文章も平易で理解しやすい」という感想も。確認テストの正答率は46.67%でした。テキストはB5サイズと持ち運びやすいサイズであるうえ、Webテキストを使えばスマホでも学習が可能。専用アプリもあるので隙間時間で手軽に学べます。バックグラウンド再生には非対応ですが、ダウンロードしておいた動画を倍速で視聴すれば、効率よく勉強できるでしょう。サポートが充実しているぶん、料金は242,000円と検証した全サービスの料金の中央値より10万円以上高額。コストを抑えたい人には向いていないでしょう。とはいえ、わからないことはいつでも何度でも質問できて、サポート体制は申し分なし。資格取得の勉強に挫折した経験がある人は、検討してみてください。
おすすめスコア:4.29(2025/12/01時点)
スマホで学習が完結。確認テストの正答率は90%超え
大原学園が運営する「資格の大原」は、スマホで学習を完結させたい人におすすめ。主軸がWebテキストで、Web上でできる問題集・実力確認テストも用意されており、スマホで手軽に学習しやすいのが特徴です。講義の動画はダウンロード可能で、倍速再生にも対応。通勤中でも効率的に勉強しやすいでしょう。映像授業は、1動画が5~10分とコンパクト。「講師が計算問題に対しすぐに答えをいうのではなく、質問を投げかけていたので、自分の頭で考えながら視聴できた」「テキストと同じ内容が常に画面に表示されており、動画を止めなくても理解しやすかった」との感想がありました。講師とは画面越しに目線が合い、臨場感がありますよ。テキストの厚みが2.8cmと大きいのは気になる点。導入が条文であることや、例がわかりにくい点からも、初心者だとテキストだけでの学習は難しい印象です。豊富な図解があるものの、「テキストや図がシンプルすぎて不十分だと思った」との意見も。ただ、テキストと映像を合わせて受講すると、確認テストの正答率は93.33%とトップクラスでした。学習サポート体制は充実しており、自分の得意・苦手な箇所がひと目でわかる個人カルテや、学習スケジュールの自動設定機能があります。時間や回数は制限されますが、わからないことをすぐに確認できるツールも搭載。記述式問題の添削ツールはありませんが、モチベーションの維持につなげやすいライブ授業も配信しています。料金は、入学金・受講費用・紙テキスト代を含めて106,300円と、検証した全サービスの料金の中央値より3万円ほど安価。経済的な負担も大きすぎることはないでしょう。受講からテストまで、スマホで手軽に始められるサービス。電車や移動中にも学習したい人は要チェックです。
おすすめスコア:4.24(2025/12/01時点)
料金重視で探している人に。スマホで手軽に学びやすい
KIYOラーニングが運営する「スタディング」は、安く通信講座を利用したい人におすすめです。料金は69,400円と、検証した全サービスの料金の中央値より7万円以上安価。群を抜いて低価格なので、同時にほかの資格講座を受けたい人にも向いています。映像授業は細かいチャプターが設定されており、使いやすいことはメリット。ただ、講師の話し方には抑揚が少なめで、テキストをそのまま読み進めていたので「もう少しかみ砕いて説明してほしかった」「早口で解説され、理解が追いつく前に進んでいった」との意見が聞かれました。テキストは情報量が少ないうえ、どこに何が書いてあるか場所を把握しづらく、情報が埋もれていた印象。「図は大きいが、似たり寄ったりで判別しづらかった」との声が挙がりました。とはいえ、動画との連携があり、机で落ち着いて勉強する分には問題なさそうです。映像とテキストを使った受講後の確認テストでは、正答率が40.00%でした。テキストはA5サイズとコンパクトで、持ち運びもしやすそうです。学習サポート体制としては、学習スケジュール・個人カルテがあります。しかし、疑問点があった場合の質問や、記述式問題の添削ツールが有料であることは懸念点。ライブ授業も行われていません。Webテキストがメインなので、場所を問わずスマホで学習しやすいのは強みです。Webやアプリで使える問題集も搭載。講義は音声のみダウンロードが可能で、倍速・バックグラウンド再生機能もあります。映像授業・テキストが特別わかりやすいとはいえませんが、料金が中央値よりかなり安いことは魅力。料金重視なら候補になります。
おすすめスコア:4.24(2025/12/01時点)
レベル別に受講できる。気さくでメリハリのある解説も魅力
アガルートが運営する「アガルートアカデミー」は、レベル別で受講したい人におすすめ。初心者・中級者・上級者向けのコースが、ほかのサービスより豊富に用意されていました。映像授業はテキストに沿って進み、動画を見るだけでも学習できます。講師は常に画面に映っており、「話し方が気さくで、解説にメリハリがあったのでとても集中できた」「楽しみながら勉強できた」との声が続出しました。テキストは一部カラーですが、文章の強弱が物足りず、どこが大事な箇所なのかわかりづらかった印象。ただ、用語の補足説明が充実しており「調べなくてもテキスト内でどんどん理解が深まった」とのコメントがありました。受講後の確認テストでは、正答率が53.33%と高め。テキストはB5サイズと持ち運びもしやすいでしょう。時間や回数は限定されますが、記述式問題の添削ツールも無料で使え、個人カルテもあります。一方、学習スケジュールがないので、勉強のペース配分を知りたい人には不向きかもしれません。ライブ授業にも非対応で、 学習サポート体制には物足りなさを感じます。Webやアプリ上で手軽に受講できるツールはないものの、Webテキストがあるので、スマホさえあれば出先でもある程度は学習しやすいでしょう。アプリでのバックグラウンド再生や倍速機能にも対応しています。検証条件下での料金は168,000円と、検証した全サービスの料金の中央値を3万円程度上回りました。料金重視の人には不向きですが、自分に合ったレベルで学習を進めたい人はチェックしてください。
おすすめスコア:3.98(2025/12/01時点)
教材はわかりやすいものの、料金の高さが懸念点に
法学館が運営する「伊藤塾」は、料金重視の人には不向き。検証条件下での料金は入学金を含めて248,000円と、検証した全サービスの料金の中央値より11万円以上高額でした。比較したサービスのなかでも特に高い結果です。対して授業や教材の質はいうことなし。映像授業はチャプターが細かく、どこを解説しているかわかりやすいうえ、冒頭には前のユニットの復習もありました。「解説にメリハリがあり集中できた」「重要なところにはその場でマーカーを引いてくれるのでわかりやすかった」と好評です。しかし、音声が乱れる箇所が多々あり「わかりやすい内容なのにもったいない」との指摘もありました。テキストは条文からスタートしますが、展開がわかりやすく無駄のない構成です。白黒でありながら「イラストや図があってわかりやすい」「映像授業でも登場するテキストと同じなので読み進めやすかった」との感想が。受講後の確認テストでは、正答率が66.67%と高めでした。テキストはB5サイズで、バッグにも入れやすい大きさです。時間や回数に制約はありつつ、疑問点があった場合はすぐに確認できるツールを搭載。学習スケジュールや受講記録が残せる個人カルテもあるので、コツコツ勉強しやすいでしょう。記述式問題の添削ツールやライブ授業の配信はありません。Webテキストはあるものの、講義の動画・音声はダウンロード不可。問題集・テストなどもWebやアプリではできないので、外出先で手軽に学習を進めたい人には向いていない印象です。教材の質がよいぶん料金も高め。コストを抑えて資格取得を目指したい人は、ほかのサービスも検討することをおすすめします。
おすすめスコア:3.77(2025/12/01時点)
添削ツールの使用は無料。教材はわかりにくく受講費用は高め
クレアールが運営する「クレアール」は、料金が高額。受講後に実施した確認テストの正答率は60.00%と高かった一方、映像授業には講師が映らず情報が少ないので、きちんと聞いていないと理解しづらく感じました。「講師の話し方にはメリハリがほとんどなく、画面の変化も少ないので集中しにくかった」との意見も寄せられています。テキストは冒頭に例文があり、理解しやすい構成ではありました。ただ、白黒かつほとんどが文字なので「要点のまとめや赤文字の強調もなく、学習意欲が搔き立てられなかった」「見出しも本文に紛れ込んでいて、どこまで読んでいたか見失いやすかった」との声が。テキストは厚み3.2cmと持ち運びにくく、学習のハードルも高いでしょう。記述式問題の添削ツールが無料で使えるのはうれしいポイント。回数や時間に限りがありますが、どの講義をいつ受けたかも、個人カルテで管理可能できます。ただ、学習スケジュールがないのでペース配分が難しく、ライブ配信の授業もありませんでした。映像授業はテキストに沿っていないので、学習の進めにくさも否めません。とはいえ、Webテキストに加え、Webやアプリ上で受講できるツールを搭載。動画のダウンロードも可能なので、外出先や通勤中でも学習しやすいでしょう。検証条件下での料金は169,000円と、検証した全サービスの料金の中央値より3万円以上高額。いずれの検証でも評価が振るわなかったので、別のサービスもチェックしたほうがよいでしょう。
監修者:林雄次(デジタル士業®&資格ソムリエ®)
ガイド:石村燎里(マイベスト サービス担当)
※ 監修者は「選び方」についてのみ監修をおこなっており、掲載している商品・サービスは監修者が選定したものではありません。マイベストが独自に検証を行ったうえで、ランキング化しています。


